システムの延命とAI一元管理を両立、企業のIT基盤を安定させる新たな選択肢
Red Hatが2026年5月11日からの年次イベントで、OSの超長期サポート「RHEL Forever」やAI管理ツール「AI Gateway」を発表しました。システムの維持コストを抑え、安全にAIを導入したい担当者が知るべき要点を提示します。
執筆者: オキタ+AI
Red Hatが2026年5月11日から14日にかけて開催した年次イベント「Red Hat Summit 2026」にて、OSの超長期サポート「RHEL Forever」やAI管理ツール「AI Gateway」を発表したと、ASCII.jp TECHが2026年5月26日および27日に報じました。システムの維持コストを抑えつつ、安全にAIを社内導入したい企業にとって重要な選択肢となります。
結論:システムの維持コストを抑え、安全なAI導入を支える土台
今回の発表は、既存システムの維持に追われるIT部門の負担を減らし、AI活用へリソースをシフトさせるための強力な支援策です。
- ・RHEL Foreverにより、OSのアップグレード作業にかかる莫大なコストと時間を削減できます。
- ・AI Gatewayを導入することで、社内で乱立する複数のAIモデルを安全に一元管理できます。
- ・日本のユーザーからの強い要望が、今回の長期サポート実現を後押ししました。
OSのアップグレード作業から解放される「RHEL Forever」の価値
OSのサポート期限に伴うシステム移行の手間をなくし、既存のIT資産を長く有効活用できます。
多くの企業において、OSのサポート終了に伴うシステムの移行や再テストは、多大な予算と人手を奪う課題でした。新しく発表された「Red Hat Enterprise Linux Long-Life Add-On(通称:RHEL Forever)」は、従来のサポート期間を大幅に超えてOSを使い続けられる仕組みを提供します。これにより、IT部門は既存システムの維持管理に追われることなく、生成AIの導入や業務プロセスのデジタル化といった、より付加価値の高い新規プロジェクトにリソースを集中できるようになります。
社内のバラバラなAI利用を統制する「AI Gateway」の役割
社内の多様なAIモデルへのアクセスを1箇所にまとめ、セキュリティとコストを効率的に管理します。
生成AIの業務活用が進む一方で、部署ごとに異なるAIツールが導入され、管理が煩雑になる「AIの野良化」が懸念されています。今回発表された「AI Gateway」は、社内で利用する複数のAIモデルへのアクセスを仲介する一元管理のコントロールプレーン(管理窓口)として機能します。これにより、どの部署がどのAIをどれだけ使い、コストがいくらかかっているのかを可視化し、セキュリティポリシーに沿った安全な運用を可能にします。
導入前に自社のIT部門と確認すべき2つのポイント
新機能の恩恵を受けるために、まずは社内のシステム移行計画とAIの利用実態を整理しましょう。
これらの新しい選択肢を自社の業務改善に活かすため、まずは以下の2点について社内のシステム担当部門と対話することをおすすめします。
- ・既存システムの移行計画の再評価:直近で予定されているOSやサーバーの移行作業が、RHEL Foreverの適用によって延期・削減できるかを確認します。
- ・社内AIツールの利用実態の把握:各部署で個別に契約・利用されているAIツールをリストアップし、将来的にAI Gatewayのような仕組みで統合管理すべきかを検討します。
インフラの維持コストを最適化し、安全なAI活用環境を整えることは、企業の競争力を高めるための重要な一歩です。技術的な詳細に踏み込む前に、まずは自社のIT基盤の現状を把握することから始めてみてください。
出典
- ASCII.jp TECH(2026年5月26日) ついに“永遠に使える”RHELが登場 Red HatはAI時代も「他にはない選択肢を提供していく」
- ASCII.jp TECH(2026年5月27日) 永遠に更新できる「RHEL Forever」は、日本の声が実ったもの ― レッドハット三浦社長が語るAI時代のインフラ